ごあいさつ

アンジュローブは1990年12月に静岡市でオープン。

「アンジュローブ」とはフランス語で「天使の衣」と言う意味があります。天使の持つ雰囲気のような、あたたかいお店にしたいというシェフの願いを込めてこの店名となりました。

シェフがこのお店をオープンしたきっかけは、自分が次男だったためお父さんの跡を継げず、自力で会社を起こそうと考えたことです。どんな事業をしようか考えた結果、食べることやお菓子が好きなのでお菓子屋さんになろうと決断しました。

その後、都内5ヵ所で修業を積み、晴れて「アンジュローブ」をオープンしました。オープン当時はさまざまなことを自分一人で切り盛りし決断しなければならないことにとても苦労した、とシェフは語ります。

今は一人ではなく、夫婦二人で仲良くお店を経営しています。シェフが建築士と綿密に相談して考えたというお店の外観は、上部にウエーブがついたスモーキーピンクの外壁に木枠使いの洋風看板がマッチした、とても個性的なものです。まるで童話に出てくるような、人目を引くケーキ屋さんです。

道沿いに掲げられた看板は、アニメーターであったシェフの奥様の先生がデザインしてくれて、そのデザインを元に日本一の看板屋さんに製作してもらったという、大切なこだわりのあるものです。

そんなメルヘンな外観に加えて、お店の周囲には四季折々の植物や花が咲き誇り、訪れる人の心をときめかせてくれます。重厚な木製のドアを開け店内に入ると、やや暗めの照明とダークブラウンの木材を使用した、ウッディな空間が広がります。

内装も木を多く使って暖かみのある雰囲気にしたいとシェフは考え、その意向は店内の隅々にまで反映されています。白くてまぶしい光を使わず、暖色系の落ち着いた照明を適度に当てることにより、ショーケースがとても際立っています。さらに、ケーキ屋さんとしては珍しい雑貨の販売コーナーや、くつろぎの喫茶コーナーも備えています。

ショーケースには常時20種ほどのケーキが並び、そのうち定番として10種程度、他は季節商品になっています。

ショートケーキやチョコレートケーキなど、ケーキ屋さんとしての定番商品はもちろん不動の人気ですが、中でもシェフイチオシのケーキは店名も入った「ショコラアンジュ」と、シェフ自身の好物であるバナナのタルトです。

お店のコンセプトは、合成添加物を使わないことと、なるべく地元のものを使ってケーキを作ること(地産地消)です。どちらも手間暇がかかることですが、それを辞さない姿勢がお客さんに長年支持されるお店を作り上げます。

住宅街にあるケーキ屋さんということもあり、地元のリピーターのお客さんが多く利用しています。「天使の衣」をフワリとまとうかのように、ほっこり優しく癒される富士宮のケーキ屋さんです。